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2015.07.08
ナチュラル・ターコイズ・バングルのサイズ調整2 ~Natural Turquoise Bangle~
ナチュラル・ターコイズ・バングルのサイズ調整1の続きNatural Turquoise Bangle.一昔前はターコイズでも「ナチュラル・ターコイズ」が持て囃され高額だったと覚えている。Natural=ナチュラル=天然だから良いという安直な部分もあると思う。でも実はターコイズ原石って基本的にモース硬度が低く非常に脆い。だからスタビライズド処理[Stabilized]と言い石を真空環境の中に置き内部まで樹脂を吸わせる。樹脂が硬化すると強度のあるターコイズが出来上がる。この処理を一昔前は邪道だ!と言う人もいてナチュラルの方が価値がある良いターコイズだいう風潮があった。でも実際はナチュラル・ターコイズって強度共に耐候性も低くアクセサリーには不向きなものだ。水に弱く、油に弱く、変色する・・・、人が身に付けたり生活環境に著しく適さないのである。だからナチュラルはダメと言っているのでは無く、数は少ないがナチュラルでもスタビ並みに強度があるものもある。天然鉱物の美しさを前にするとやっぱり”樹脂”とか”余計な手を加える”事に抵抗を覚える気持ちも分かる。只、美しい状態で保ちたいならケースに入れて眺めて楽しんだ方が得策、と言うだけ。それを知らずに無残なナチュラルターコイズの姿を修理として持ち込まれた記憶が幾つかあるからだ。3本線があるうち両端の線で切り中央を落とす。これでかなりサイズが小さくなる。切り落とし、双方のスリットが合うように切削調整。ただ単に面を合わせてロー付けだけじゃ強度足らずでまた折れるので、各4本内部に心棒を通しロー付けする。ボリュームのあるバングルなので結構深目に入れないといけない・・・良くあるバングル折れ修理の中でも、厚手のあるバングルはこのように心棒を通せるが薄いものは裏に板を通しで貼りロー付けする。状況によっては心棒と裏板両方施す場合もある。差しロウバングルの形を整形石座と釈迦球を準備一個一個ロー付けしていく。ボリュームあるので全体が温まるまでいちいち時間が掛かる。全てロー付け完了。余分にはみ出たローの汚れを掃除する。燻しで黒くする。石留めするべく彫刻台にセット。ナチュラルなのでソフトに石留め・・・フクリンも厚いので叩き過ぎて割らないように、割らないように・・・最後にヘラでフクリンを整えてポリッシュして完成。
2015.07.07
ナチュラル・ターコイズ・バングルのサイズ調整1 ~Natural Turquoise Bangle~
ターコイズ付きのバングル。しかもナチュラルTQ。このバングルをダウンサイジングしたいと言うご依頼でした。雰囲気からしてネイティブ・アーティスト物かと思いきや、聞くと国産だという。made in japanの作家物というわけだ。腕周りがとても大きいので小さくしたいというご要望。しかしバングル全体にスタンプ模様が施されている為、単にサイズダウンといってもバングルの両端をカットすれば許されるデザインではない。バングル中央スリット状に窓が開いている部分を取り除くしかない。一度TQを外し→スリット部をサイズダウン分取り除き→再度石座を取り付けねばならない。Natural&フクリン厚めだったのでタガネで取り除こうと思ったら割れ必須TQ。なので外周のフクリン部分のみカッとして取り除くしかない。この時点ではヨリ線と石座ベースは再利用出来ればするつもりだった。TQに負担をかけないように時計ヤットコを使ってコンビーフの缶を開けるようにめくっていく。ここまでめっくてもTQとフクリンのスキマが余り無い。このクリアランスを見るとmade in japanと聞いて頷ける。これは修理していて感じる事だがネイティブ・アーティスト物ってデザインはカッコいいんだけど細部の作りが結構アバウトなものが多い。フクリンとターコイズがピッタシ。フクリン外したのに取るのに一苦労。お次は石座と隣の釈迦球(シャカダマ)をロー融点に熱し取り外す。バーナーの火って綺麗だなあ~融点に達するとピンセットで掴んでいたものがヒョッといきなり取れる。慣れぬ内はフォーカスしていない所を溶かしたり、掴んでいたピンセットで潰したりする。石座とヨリ線も取り外す。が・・・余りにもローが多かったみたいでヨリ線に不恰好に回ってしまう&ベース板から離れずコマ切れになってしまった為廃棄。ベース ヨリ線 もフクリンと共に急遽新規製作。修理ってこういうイレギュラー多いスね・・・。フタ開けてみないと分かんないんだから恐い所あるね・・・。ピッタしフクリンを再現する。グ~ッと程よいテンションかけて嵌めこんでいく感じでしょうか。次の工程はサイズダウンする為にバングル本体の中央スリット部分を大幅にカット。ナチュラル・ターコイズ・バングルのサイズ調整2へ
2015.04.27
ブラックダイアモンドリング ~サイズ調整加工~
さて、新生ブログにしてから2記事めの投稿になります。SE沢野井氏から「ブログ発足してからしばらくはがんばって投稿し続けてください」と催促されたので、頑張って過去のリフォーム加工や修理加工の記録なんかを引っ張り出してきてアップしております。ちなみに、「前ブログの記事こっちに移せないの?」「コピペは?」など幾つか愚問をぶつけてみた所、「ブログの全引越しはお金がかかります」と。また、全ブログ記事と同じ内容を要はフルコピペしちゃうと、ミラーナンチャラという検索エンジンの禁止事項に引っかかりSEO逆効果らしい。・・・あ~っ!!ほんっとにPCってメンドクセエなああ~~!とつくづく思うのでありやんした。。。本題のブラックダイアモンドリングの加工例です。まあ結構デカイ黒金剛石が鎮座しておるんですが、加工目的はサイズ直し。が、ちょっと難あるリングだったんだこれが。。一見veryveryラグジュアリーなブラックダイアモンドの指輪なんですが、よ~く見ると・・・中央あたりになんか線が・・・なんと!クラック入り。タテにピシッといってます。20Xルーペを覗き込んでみると結構深め・・・そうブラックは割れるんですよ。皆様ダイアは割れない宝石だと考える方が常識ですが、カラーダイア、ファンシーダイアモンドとも言いますがその中でも特に黒い奴は割れるんです。お客様酔っ払って喧嘩でもしちゃったんでしょうかね。強い衝撃を受けるとブラックは割れるので注意。で!、サイズ調整加工にあたり溶接必須なのでブラック含め取り巻きメレダイアも全部外してやらなきゃいけません。もちろん一番神経すり減らす石はこのクラック入りブラック。このクラックがどこまでの深度なのかは実際ツメから外してみなきゃ分からんのですよ。そらもうスリルな秘密、この世はでっかい宝島なんですよ。恐怖しかありまへん。まあ他店断られまくりでしょう。・・・正直、自信なかったもんなあ・・・・・・でも、4つのツメを、細心の注意と今までの経験と勘を頼りにゆ~っくり、ゆ~っくりと石から離していき無事外せました。あとは、残りのメレも外していく。サイズ調整でR角が変わり、石座も変形するのでこのままではこのブラックちゃんはちゃんと座ってくれません。なので、石座も座りが良いように切削加工する。石座にセットする時もまた神経集中しましたが、割れも無くまあなんとか結果オーライでした。でも今後の使用に当たりは注意して下さいとオーナー様には一言添えておきました。まあこんな、問題児お抱えの方おりましたら一度見せてください。直せるものは直しますので。宜しくお願いします。