The old kingman Turquoise Bangle
2024.07.13
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以前、1年位でしょうか、オーダー頂きました店内オールドキングマンターコイズを使ったメンズバングルです。
こちらのターコイズが普段ご使用中に見たら「何だか傾いている」という事でお持ち頂いたリフォームでした。ターコイズの表面をルーペでチェックしましたが、クラックや割れは見当たりません。
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まずは、ターコイズを外して見ない事には何も始まりませんので、とりあえずターコイズを外してみます。
バングル本体は小傷がたくさんあり、ああ普段からご愛用頂いてるんだな…と実感できるので、こういうのを見ると本当に嬉しくなりますね。。
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ターコイズの裏を見ると、バッキングの一部が割れておりました。
ターコイズ層に割れは無く、綺麗にバッキングのみが破損していたみたいです。
どうやら傾きの原因はこれのようです。
ご本人どうやら「一度落としたかも」とも仰っていたので、ターコイズ表面からの衝撃が底じきのクッションである程度吸収されバッキングのみが壊れた模様です。いや~良かったですターコイズ層が割れてなくて・・・。
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バッキングを補修します。
ターコイズのバッキング補修やバッキング整形はなんだか久しぶりで面白いですね~
他の半貴石と違ってターコイズが面白いのは、このバッキングという補強加工が当然の様に1個のルースとして扱われるところです。しかもキャラ目売買ですから当然このバッキングもコミコミなわけでこのバッキング層って何よ?と天然鉱物でも何でもない人工加工された部分。これを取引しているという…人気マインとかだとキャラ5000~1万とかありますからこれは○○!…となりますが、ヤメましょう、これがターコイズなんです(笑)Turquoise is nomad! Turquoise is Freedom!! いやでもマジでこれがセシル・ローズよろしく莫大な資金と権力で牛耳られダイヤモンド・シンジケート・デビ○ス社みたいに一方的殿様売買方式で統制したらほんとFuOk'inSOit!になると思います(笑)
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バッキング層がフラットになるように整形していきます。
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インナーベース、クッションも取り出して改めて整形します。
ベゼル内に置いてみてカタカタしないかチェック。
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バングル本体も全体的にクリーニングして、改めてターコイズを慎重に再セッティングしていきます。
インディアンジュエリー工法ではもっと薄いベゼルにしてヘラで押して倒して伏せこんでいくようなカタチが多いと思いますが、ITALU-YAでは鏨でベゼルを叩いて倒していく石留めという彫金技法で留めます。この加工段階で割ることはありません。割れるケースは”座り”というルースが安定して座っていないことが原因で上からの加圧がほとんどです。これはダイヤモンドなどにも同じで外れの原因にもなったりしますね。
「何年やっても難しいロー付け」「何年やっても難しい石留め」ですねホント。
Red coral & White feather
2024.06.19
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昨年からオーダーを頂いておりました、カフスからZippoケースまで全5セットが完成しまして、とても個性的で印象深かったので僭越ながらご紹介させて頂きます。
合間合間にも他のオーダーが入っちゃったので、約半年かかっちゃいましたね💦(おまたせしました…)
以前からウェブサイトを見て来てみたかったと海外から来られてご注文を頂きました。
わざわざ海外から御足を運んで頂きほんとうに光栄です。
やっぱり同じ男から見て行動力ある漢、有言実行の漢っていうのは信頼感もあるしカッコいいと思いますね。
お歳が近かったんで自分へも改めてピシッとしなきゃ!と戒めも出ますし、職人としてオーダー製作にも力が入りました。
個性的で印象深いというのは、全て血赤珊瑚とフェザーのモチーフという事です。
通常、インディアンジュエリーではターコイズ&フェザーが一般的と思いますが、珊瑚の「赤」が好きなんだと。
お人柄も何か独自な品格を感じましたので白いフェザーのイメージが湧いてきました。
ご来店頂いた初日はダークスーツに合わせるカフスとループタイが欲しいとの事で2点即決。
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・No.218:天然血赤珊瑚のメンズカフス
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・No.219:天然血赤珊瑚とホワイトフェザーのループタイ
続いて後日LINEからレザーベルトバックルとオリジナルジッポケースの2点追加オーダーを頂きました。
多分、どんな奴が作ってるのか実際に会って見たかったんでしょうね。
いや、正直それが普通の感覚というか、おこがましいですが決してフルオーダーって安い買物じゃないし、まして一点モノにウン万ウン十万をかけて作る輩がどんな奴なんだ?というのは小生も同じく思うところでございます。実際見に行って会ってみること必須でしょう。
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この1個の為に天然枝珊瑚の太い幹からカットして取り出しています。
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・No.220:天然血赤珊瑚とホワイトフェザーの叩き出しベルトバックル3mm
続いてジッポケース。
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上蓋と上下にフェザーがわかれる仕様です。
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・No.221:天然血赤珊瑚とホワイトフェザーの叩き出しオリジナルジッポケース2mm
最後に思い立ったようにLINEからもう1個オーダーを頂きました。
ジップペンダントというファスナーのつまみにも付けられるペンダントです。
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・No.222:天然血赤珊瑚のホワイトフェザー・ジッパーペンダント
計5点のオーダーメイドでした。
やはり思うのは、せっかく作るオーダーメイドなので皆が持っていないような、
ちょっ~と一味違う、良~く見ると、んん?て寄って見たくなるような個性あるデザインが面白いな~、なんて思いました。
作る側もやはりその方が作っていて面白いのです。
意外に思うかもしれませんが、製作者本人も完成するまで、どんな感じになるか分からないのです。
だからこそ、作りながら、どんな完成品になるんだろ?とワクワクもあります。
「この世界に一個」の面白いところであり、素晴らしいところ、ですね。
ITALU-YA
一分金と一朱銀のカフス
2024.06.06
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一分金。
一朱銀。
江戸時代に実際に使用されていた金貨と銀貨を使いカフリンクスを製作しました。その時の製作過程です。
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一分金四枚と小判一枚が等価だったようです。
小判一枚で「一両」。
江戸期の年代で変化したようですが、現在の価値で一両10~15万円分に相当したとか。
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さらに大きい大判は小判の約10倍の価値だったそうで、
よく時代劇に登場する悪徳商人の越後屋が悪徳役人に高級料亭で賂を渡すシーン。
「グフフ…おぬしもワルよのう…」って、結構な高さがある大判包みですよねアレ!?ヤバ!
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カフスの枠になる銀材もあらかじめ鎚で叩き模様をつけておきます。
カフスの正面に来るフェイスと下側の金具がそれぞれ一分金と一朱銀で対になるようにします。
各金貨、両面に柄が入っているのでどちらを表にするかも打ち合わせで話し合いました。
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一分金、一朱銀というものはビミョーにイビツな形をしており正長方形ではありません。各々のイビツな形に合わせて枠を作っていきます。
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完成した枠の縁には後で金貨をセッティングするため、地にスリットを入れておきます。
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各金貨に合わせてるのでピッタリと嵌ります。
さらにここから縁を魚々子タガネを使って内側に肉を倒していきます。
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こちらの一分金も同様に縁を留めていきます。
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で、完成したのがこちらです。
四隅に一回り大きな魚々子を打ち、二段にして留めています。
やはり古銭独特のアンティーク調があるのでそれに合うよう新規に作るカフス枠もアンティーク仕上げにしています。
ただ実際に使い込んで徐々に馴染んでいく経年変化に勝るものはありません。
使用すればするほど味が出るようなカフスだと思います。
ITALU-YA